
仕事を上手く進めていくためには、他人とのコミュニケーションが重要です。
他人との関わりがない仕事もありますが、基本的には同僚やお客様と言葉や文章でやりとりする必要があります。
またコミュニケーションが上手いと、それだけで仕事をもらえたり、クライアントから気に入られたりします。
では、どのようにすればビジネス上でのコミュニケーションがうまくいくのでしょうか。
実は ビジネスコミュニケーションが上手い人は、相手の話を真剣に聞いて分かったつもりにならず、感情を汲み取る努力をしていることが分かっています。
しかし、どのような態度で聞き、感情を汲み取ればいいのか分からないですよね。
今回は、心理学を参考にして、どうすればビジネスにおけるコミュニケーションを上達できるのかについて解説します。
人間関係を円滑にする聞く技術
まず、コミュニケーションにおいて大切な2つの聞く技術をお伝えします。
- 分かったふりをしない
- 真剣な態度を見せてアイコンタクトをする
分かったふりをしない
会話の中で、つい相手の気持ちを分かった気分になり「その気持ち分かるよ。自分も同じ経験をしたから…」などと言ってしまったことはないでしょうか。
気持ちが分かると言われた側からすれば、「自分の気持ちを理解してくれるんだ!」と思うでしょう。
こうした意味では、気持ちを理解するほうがいいように思えます。
しかし、気持ちが分かると伝えてしまうのには2つのデメリットがあります。
- 聞き手は話し手の気持ちを推測しているだけ
- 話し手がより深い話をしなくなる可能性が高くなる
相手の気持ちを理解することは、会話に円滑にするために重要な要素です。
しかし、話し手が伝えたかった内容や感情を、話し手と全く同じように聞き手側は理解しているのでしょうか。
おそらく、誰も話し手を完璧に理解するのは不可能です。
なぜなら、気持ちが分かるというのはあくまで聞き手側の推測であり、話し手本人ではないからです。
つまりは、聞き手は自分の経験から予想しているだけで、話し手の人生や背景知識を完全には理解できないからです。
次に、話し手へ気持ちが分かると伝えると話し手は「聞き手側はもう全てを理解したからこれ以上の話をする必要はない」と思う可能性が高いです。
つまり、聞き手が話し手の内容を理解していない状態で次の話へ進む可能性や話がそこで終わる可能性も出てくると言うことです。
もしかすると、会話がより深い内容や本当に伝えたかった感情を伝える前に話が終了してしまうのです。
このような状態が続くと、話し手は聞き手側は気持ちが分かると言っているだけで、それほど理解していないのかもしれないし、理解する気が無いだろうと疑われやすくなります。
他にもやってしまいがちな発言についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ見てみてください。

真剣な態度を見せてアイコンタクトをする
話をするときに、腕や足を組んでいたり相手の目以外を見ていませんか?
相手と正面から向き合ったり目を見ながら話を聞くのはとても重要です。
正面で向き合ってアイコンタクトをすることは「私はあなたの話をしっかり聞いてます。私はあなたを全力で理解しようとしています」と伝えているのと同じです。
また、聞き手側がリラックスしているのも同様に「あなたを受け入れてますよ、一緒にいるとリラックスできてます」と伝えているのと同じです。
聞き手側がリラックスして、アイコンタクトと正面を向いて聞いてくれると話し手側もリラックスして伝えやすくなります。
または、少し身を乗り出して聞いてくれていたり身振り手振りで聞いてもらえると話す側の人はより一層話しやすくなります。
最初は慣れなくて戸惑うかもしれませんが、少しずつやることで自然とできてくるのでぜひやってみてください。
相手を理解するための質問の仕方
では、どのように相手に伝えればいいのでしょうか。その方法は次の3つです。
- 感情に注意を向けて、感情の確認をする
- 会話の具体性を高める
- 質問を減らし相手に気を配りながら沈黙をする
感情に注意を向けて、確認をする
相手が落ち込んでいるとき、「今は一人にして欲しい」と言われた経験はないでしょうか。
こう言われたときは、「相手はとても落ち込んでいる」と察してあげる必要があります。
このように、人は本音を隠し、暗喩で伝える場合が多く見られます。
ビジネスなら、例えば次のような会話が考えられます。
上司「もう少しやる気出せよ。君だけまだ仕事終わっていないよ」
部下「はい、すみません…」
この会話では、一見すると上司は部下に怒っているように思えます。
しかし、上司は部下を気にかけていただけなのです。
ここでは部下は謝罪をするのですが、上司の言葉を理解していると思い込んでしまい、二人の間にはスレ違いが発生しています。
なので、部下はここで上司の言葉の感情に注意を向けて、自分の汲み取った感情が上司の感情と一致しているか確認する必要があります。例えば、次のような会話です。
上司「もう少しやる気出せよ。君だけまだ仕事終わっていないよ」
部下「この仕事は自分には不向きだと思っているみたいですね」
上司「いや、君には向いていると思うよ、しかし君の仕事がいつもより遅いから心配なんだよ」
部下「自分がいつもより仕事が遅いから心配しているだけで、自分の仕事に不満はないのですね」
上司「そうだよ、今回の仕事前年度の記録を上回りそうだから頑張りたいんだ。何か困っている事があったら相談してくれ」
部下「実は、困っていることがありまして…」
現実には、この会話のようにスムーズに行く場合は少ないかもしれません。
ですが、少なからず感情に注目して、汲み取った感情が一致しているのか確認すると思っている以上にスレ違いが起きていて前よりも問題解決することが多くなると思います。
会話の具体性を高める
人との話の内容が自分の話ばかりになっていませんか?
自分主体で話すことが悪い訳ではありませんが、相手の話を聞いたり質問したりしないと、仕事を頼んだり、助けてもらう仕事仲間や取引先との信頼関係ができません。
信頼関係を作る上でも会話の具体性を高めて深い内容へ持ち込むのが重要です。
やり方はシンプルで、少し内容が深くなる質問を意識するだけです。例えば、次の通りです。
- 例えば、どのようなものですか?
- どのように感じましたか?
つまり、相手の感情や事実をより具体的に知るような質問をすればいいということです。
質問を減らし相手に気を配りながら沈黙をする
沈黙すると気まずい雰囲気だと思ったり、相手に不快感を与えていると思ってしまいますよね。
それで沈黙をしてはいけないと思い、あれこれと質問してしまう場合があります。
しかし質問が多すぎると、逆に話し手側からすれば尋問されている気分になってしまうことがあります。
質問することも大切ですが、時には質問を減らして話し手に気を配りながら沈黙しましょう。
沈黙には、次の2つのメリットがあります。
- より会話を深い内容にしてくれる促進剤になる
- 話し手がリラックスして話しやすくなる
適度な沈黙があると、話を深く掘り下げるために具体的な内容や、聞き手側に理解しやすくするための例え話をするようになります。これは、話し手側がリラックスしているためです。
もし、沈黙が無く質問ばかりしていると具体的な話をする事ができませんし、聞き手に理解してもらいたいのに途中で口を挟まれてしまい、聞き手は聞く気がないと思われてしまいます。なので、質問を減らして沈黙することもときには重要です。
しかし、沈黙をやりすぎるのも良くありません。聞き手が頷いたり、ボディーランゲージが無いと話し手は聞いていないと思われてしまいます。
ここまでだと、「コミュニケーションって難しい」と思うかもしれませんが相手の話を全力で聞くのが大切ということです。
なので、相手が話している途中に聞き手側が別の話を持ちかけたり話しを遮って質問をするのではなく、話し手の内容が伝え終わるまで聞くという姿勢が大切です。
まとめ
この記事では、仕事や人間関係が上手く行くようになるためのビジネスコミュニケーションのやり方をお伝えしました。
具体的に、ビジネスコミュニケーションにおける話の聞き方が3つあります。
- 話し手の内容に分かったふりをしない
- 真剣な態度を見せてアイコンタクトをする
また、深い話をするための質問の仕方があります。
- 感情に注意を向けて、感情の確認をする
- 会話の具体性を高める
- 質問を減らし相手に気を配りながら沈黙をする
今回の記事を参考に、実践してみてくださいね。