
「今後、将来どうなっていくのだろうか…今後の自分は大丈夫だろうか…」という悩みは、多くの人が抱えるものです。
将来の不安は、決して悪いものではありません。
不安にはメリットもあるため、不安を避けようとしたり消し去ろうとせず、不安を味方につける方法を知ることで不安とうまく付き合っていけます。
今回は、心理学を参考にして、どうすれば不安を利用して将来の不安を解消できるのかについて解説します。
将来が不安になる3つの原因
将来が不安になってしまうのには原因があります。それは大きく次の3つです。
- 将来の不安を解決する行動を起こしていない
- 不安がこのまま続くと考えている
- 完璧主義である
将来の不安を解決する行動を起こしていない
誰にでも将来の不安というのはあります。
例えば、「この先、仕事は大丈夫なのだろうか。老後に備えてお金も必要だし、失職するかもしれない。将来は大丈夫だろうか。」という将来の不安を抱える人は多いでしょう。
将来に対する不安というのは誰しも感じる悩みです。
ですが、多くの人は「将来が不安…」と考えるだけで、行動や具体的な解決策を考えることはしていません。
つまり、不安の原因だけを見て、行動や解決策を考えずに先延ばしにしている人が多いのです。
不安がこのまま続くと考えている
不安は不快で、とても居心地が悪い感情ですよね。
ある研究では、ネガティブな感情をネガティブに捉える人ほど、人生の満足度や幸福度が低い傾向にあることがわかっています。
他にも、過去の嫌なことを思い出してもらい6ヶ月後にメンタルチェックすると、ネガティブな感情をネガティブに思っている人は過去の嫌な体験を引きずっているという事がわかりました。
さらに、ネガティブ思考が長く続くと認知機能が低下して、10年後に認知症になるリスクが上がりやすいことがわかっています。
完璧主義である
近年、テレビやSNSで失敗している人にすぐ叩くのが多いように見られます。
そのため「失敗を避けないと自分も叩かれてしまう…目立たないようにしよう」と考える人も増えて、完璧主義が増えているようです。
これは1989年から2006年にかけて調査したところ、若い人に完璧主義がとても増えているのがわかりました。
完璧主義になると、失敗するのが恐ろしく感じます。その結果、挑戦して失敗するくらいなら、挑戦しないで周りに合わせて行動しようと考えます。
そして、メンタルが弱くなった結果、不安や怒りなど感情に振り回されやすくなり、ネガティブな感情を避けようと考え仕事が進まなくなったり努力をやめてしまうのです。
もし、「自分は完璧主義かも...」と考えたらセルフコンパッションで自分に優しくするトレーニングをするのが効果的です。やり方についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ見てみてください。
不安がもたらす3つのメリット
前述の通り、不安やネガティブな感情は認知症になるリスクを上げたり人生の幸福度や満足度を下げる傾向があることをお伝えしました。
しかし、不安は強力な武器にすることができます。
不安という感情は、決断力や知性を高め、失敗を防ぐ効果があることがわかってます。
不安になると、警戒心や集中力が高まり、小さいことや周りの状況を観察する能力が高くなっています。
実際に、ハーバード大学が行った研究では、被験者に「不安は自分をやる気にさせていますよ」と伝えた場合、人前で行ったスピーチが良い結果になりました。
このように、不安は捉え方次第で強い味方にもなるのです。
不安になりやすい人は将来の出来事を考える能力も高いため、良い未来も悪い未来も具体的にイメージできてしまうのですね。
そのため、将来の不安も感じやすいのです。
不安になることは決して悪いことではないことを覚えておきましょう。
将来の不安を味方に付ける方法
では、将来の不安を味方に付けるにはどのような方法があるのでしょうか。
具体的には次の2つがあります。
- いまやるべきことに集中する
- 不安な気持ちを紙に書き出す
いまやるべきことに集中する
ある研究で、未来の不安と過去の後悔がない人達はどのような人なのか調べてくれた研究があります。
不安も後悔のない人たちは、サイコパスと仏教徒でした。
一見して対照的な存在ですが、サイコパスと仏教徒には意外な共通点がありました。
それは、『今、目の前に集中している』ということです。
仏教徒とサイコパスは、目の前のことに対する集中力が極めて高い傾向にあります。
彼らは未来を考えるより今に集中しており、それによりプレッシャーが強くなり不安に打ち勝てるのです。
「将来が不安だ!」と考えている人は、おそらく普段から未来について考えることが多いのではないでしょうか。
そして未来が不安になった結果、うまく行動に移せなくなってしまうのです。
将来のことをあまり深く考えず、いまやるべきことに向き合うことも時には重要なのです。
不安な気持ちを紙に書き出す
また、将来への不安を感じたら紙に書き出すことをおすすめします。
特に「何に不安を感じたのか」と「不安に対する解決策」を徹底的に書いてみましょう。
まず最初はネガティブ人間になったつもりで不安を書き出します。
このとき、ポジティブ要素は入れずにひたすらネガティブになって書きましょう。
次に、ポジティブ人間になって不安を書き出してみてください。
例えば、「将来のことが不安だけど、きっと大丈夫でしょう。」みたいに楽観的に書いてみましょう。
ネガティブとポジティブになって書いたら、最後はネガティブとポジティブの中間です。
ちょっと難しいかもしれませんが、中間を意識しすぎず、ある程度ネガティブよりやポジティブよりになっても構いません。
このポジティブとネガティブになった状態で書き出すことにより、ネガティブとポジティブの中間の状態で冷静に書き出すことができます。
そこで、具体的な解決策が出てくると思います。
まとめ
この記事では、不安を利用して将来の不安を解消できるのかについて解説しました。
最後に、記事の内容をまとめてみました。
具体的に、将来の不安にさせる原因があります。
- 将来の不安を解決する行動を起こしていない
- 不安が続くと考えている
- 完璧主義になっている
また、将来の不安を活かす方法には、以下の2つがあります。
- 『今、目の前のことに集中する』して行動しましょう。
- 何が不安なのかを紙に書き出す
今回の記事を参考に、将来の不安を強みに変えて行動してみてください。